こんな方におすすめ
- 無線や理系の知識がゼロの方
- これから一陸技の試験を受ける方
- これから一陸技の試験を受けようか迷っている方
この記事の内容
- 一陸技とは?
- 一陸技は知識ゼロでも取得できるの?
- 一陸技の合格までに必要な時間って?
筆者が合格するために最も役に立った問題集は、こちら。
【知識ゼロでもOK】一陸技に合格する方法
今回ですが、文系大学出身で無線の知識ゼロの筆者でも一陸技に合格することができたその理由と勉強方法についてお伝えしていきたいと思います。
まずは結論から。
結論
- 一発合格はかなりハードルが高いため、科目合格を前提に勉強する
- 吉川先生の過去問と無料の解説サイトを使って、問題をひたすら解いては解き方と解答自体を覚えていく
- iPadがあると重たい問題集や参考書を持ち歩く必要がなく、どこでも勉強ができておすすめ
では以下で詳しくお伝えしていきます。
一陸技を目指そうと思ったキッカケ
まずは筆者が一陸技を目指そうと思ったキッカケについてお伝えします。
一陸技のキッカケ
- 無線に関する仕事を任され、無線の知識が必要となったから
会社で無線を扱う仕事を担当
筆者は現在放送業界で働いているのですが、1年ほど前から突然無線を扱う仕事の担当になったことがキッカケ。
それまでは無線機器を触ったことはあるもののその知識はほとんどなく、「せっかく無線の仕事を任されたのだから、勉強ついでに資格を取ろう」と思い勉強をすることにしました。
まずは一陸特を取得
はじめ一陸技を目指すつもりは全くなく、まずは一陸特の免許を取得しようと思い一陸特の勉強をはじめ、1.5ヶ月ほどの勉強で取得する事ができました。
一陸特に合格する方法については以下のリンクにまとめてありますので、興味のある方はチェックしてみてください。
-
国家資格|第一級陸上特殊無線技士を取得|知識ゼロから合格するには
続きを見る
一陸特と一陸技はほぼ違う試験
一陸特を取得してからは「無線についての知識を更に深めたい」と考えるようになり一陸技の試験を目指した筆者でしたが、一陸特と一陸技の試験内容は完全に別物だと感じました。
一陸技と一陸特は名前は似ているものの試験の難易度は格段に上がっているものなので、「一陸技の資格が必要」という方は一陸特の勉強をする時間がもったいないため、初めから一陸技を目指すことをおすすめします。
知識ゼロから一陸技合格までの流れ
知識ゼロから一陸技合格までの具体的な流れ、についてお伝えします。
一発合格は目指さない方がおすすめ
まずは重要なこととして、一発合格を目指すことはかなりハードルが高いためおすすめしません。
筆者も初めは「一発で試験に合格できたら格好いいなぁ」と考え本試験の3ヶ月前から勉強を開始したのですが、家族のための時間や仕事をこなす時間を引くと勉強のための時間が意外と作りにくいことに気づき、途中で挫折してしまいました。
1度目の試験で2科目合格を目指す
1度目の試験では2科目合格を目指すのがおすすめです。具体的には、「無線工学の基礎」と「法規」、もしくは「無線工学A」と「無線工学B」の2科目どちらかを合格するといいと思います。
理由として一陸技の試験日は平日の2日間に分かれており、初日は「無線工学の基礎」と「法規」、二日目が「無線工学A」と「無線工学B」で分かれているため、2科目合格することができれば半年後の1日のみ試験に参加すれば合格が可能となるためハードルが下がるというメリットがあります。
一陸技に合格するために必要な時間(期間)
一陸技に合格するために必要な時間(期間)についてお伝えします。
4科目全てに合格するためには1年かかる
まずは前提として知識ゼロの状態から一陸技の試験に合格するには、1年間は勉強を続ける覚悟が必要だと思います。
4科目一発合格を目指す方であれば半年、もしくは4ヶ月くらいで達成することができるかもしれませんがその道のりはかなりハードなため、4科目まとめて1度の試験で合格するのではなく2科目を科目合格し、2度の試験に分けて最終的に合格を目指すような1年がかりの計画が最もおすすめです。
無線工学A,B,基礎は約1.5ヶ月かかる
まず試験勉強を開始する時期ですが、無線工学A,B,基礎の3科目は試験日のおよそ1.5ヶ月前からスタートするのがおすすめです。
あまりに勉強早く始めてしまうと途中で重要な公式や解答を忘れてしまったり、モチベーションの低下に繋がってしまう可能性があるため、ある程度の緊張感と時間の余裕を持って行うと良いです。
勉強時間は平日1〜2時間程度、休日は4時間〜可能な限り行う
一陸技の合格に必要な勉強時間ですが、平日は約1〜2時間程度、土日などの時間のある日は4時間〜可能な限り勉強するのがおすすめです。
無線の知識や計算問題攻略のための公式を覚えるにはやはり時間はかかるため、コツコツ毎日続けて勉強することが重要となります。
法規は2〜5日あれば合格可能
法規の試験は過去問から全く同じ問題が出題されるため、無線工学の問題よりもグッと難易度は下がり2〜5日程度の勉強で合格が可能となっております。
筆者は試験の2日前から勉強を開始し、合計16時間程度の勉強時間で7割の合格点を出すことができました。
一陸技合格に必要な事前知識
一陸技を合格するために必要な事前知識について、お伝えします。
無線工学の3科目は75点以上、法規は60点以上で合格
無線工学A,B,基礎の3科目については125点満点中の75点以上、法規は100点満点中の60点以上で合格となります。
解答の6割以上正解すれば合格できるのですが、毎年新問が出題される可能性があることから過去問を解答する際は7、8割の正解を毎回出せるようにする必要があります。
難易度は法規<無線工学の基礎<無線工学B<無線工学A
筆者が思う科目の難易度ですが、法規<無線工学の基礎<無線工学B<無線工学Aだと感じました。勉強にかけた時間もイコールになり、法規にかけた勉強時間がもっとも短く、無線工学Aにかけた勉強時間が最も長くかかったという印象です。
無線工学Aはとにかく新問題が多く、毎年1〜2問は初めて見るような問題が出題され、尚且つ過去問の中でも出題頻度の少ない問題も出題される厄介な科目です。そのため新問題以外をどうにか正解し貯金を作る必要があるため、最も難しい科目だったように感じました。
試験日は平日の2日間
令和5年(2023年)7月に行われた試験の日程は、以下のようになっていました。
9:30~ | 13:00~ | |
令和5年7月10日(月) | 無線工学の基礎 | 法規 |
令和5年7月11日(火) | 無線工学A | 無線工学B |
試験日程ですが初日の月曜日に無線工学の基礎、法規が行われ、2日目の火曜日に無線工学A、無線工学Bが行われます。
先ほどもお伝えしましたが科目合格を目指して合格を狙うのであれば、「無線工学の基礎」と「法規」、もしくは「無線工学A」と「無線工学B」を合格することで次回の試験を1日にまとめることができるのでおすすめです。
受験料は16,808円
第一級陸上無線技術士の資格試験を受ける際の試験手数料ですが、試験手数料16,500円+払込手数料308円の合計16,808円必要となります。
試験料としてはかなりの高額となっており、科目合格をして合格を目指すのであれば最低2回支払う必要があるため33,616円の支払いが必要となります。
試験の受付期間
一陸技を受ける際の試験の受付期間については以下のとおりです。
受付期間
- 1月試験:11月1〜20日までに受付
- 7月試験:5月1〜20日までに受付
知識ゼロの筆者が実際に行った一陸技の勉強方法
知識ゼロの筆者が実際に行った一陸技の勉強方法についてお伝えしていきます。
問題集を購入
一陸技に合格するためにはまずは問題集を購入します。
一陸技に出題される問題のほとんどは過去に出題された問題と同じか数値の違う問題が出題されます。そのため過去問をひたすら解いて、解答のパターンと必要な公式を覚える必要があります。
筆者が試した中で最もおすすめの問題集としては、「吉川先生の過去問」ですね。
この問題集の最も優れている点は解説のわかりやすさで、無線や数学や物理といった知識のない筆者でも理解できる解答の内容となっているため、正直この問題集とネット上に上がっている解説サイトなどを駆使すれば参考書を購入する必要はないかと思います。
この問題集を何度も何度も繰り返し解いて、毎回合格点を取れるようになるまで繰り返し解きまくることが重要です。
ただ吉川先生の問題集の欠点として掲載されている問題数が8回分と少し少ないが気になりました。
問題を多く解きたい場合は一陸技問題解答集がおすすめ
先ほど紹介した吉川先生の問題集を一通りこなして公式や解答を覚えることができたら、一般財団法人情報通信振興会が出版している問題集もおすすめです。
この問題集のメリットとしては、掲載されている過去問が10回分と多いため、多くの問題をこなすことが可能です。
ただデメリットとして解説が非常に簡素化されておりある程度の知識がないと理解できない内容となっているため、知識ゼロから試験に臨む筆者のような方にはこの問題集のみでの勉強はあまりおすすめできないですね。
日本無線協会の過去問をダウンロードし、解説サイトを使って理解する
日本無線協会のサイトにアップされている過去問をダウンロードして解くのも非常にいい勉強方法になります。この方法であれば書籍を購入するためのお金も必要なく、無料で過去問を解くことが可能です。
ただ問題の解答に対する解説は掲載されていないため、解説サイトの解説を利用する必要があります。筆者がお世話になった解説サイトは、以下のとおりです。
筆者がお世話になった解説サイト
さて、雨の日は勉強でもするか。さんは最新の過去問から過去15年以上前の問題まで、幅広く解説されているブログになります。基本的にはある程度知識のある方に向けた解答となっているためこのブログを使って一から勉強するという勉強方法には向いていませんが、吉川先生の過去問に掲載されていない問題を解きたい場合などには非常に有効に使えるかと思います。
JR2KCB’s Labさんは非常に見やすくわかりやすい作りのブログとなっており、過去問の解説も非常に細かく掲載されています。非常におすすめなサイトなのですが更新が2023年6月時点で止まってしまっており、今後の一陸技の問題の解説文が掲載されるかどうかは不明のため少々気になるところです。
第一級陸上無線技術士 公式はその名の通り、一陸技の合格に必要な公式をまとめてくれているPDFファイルになります。最初は公式を見ても何のことやら不明でよくわからないかもしれませんが、問題を解きながらこの資料に自分なりの内容を書き加えていき、自分だけの公式集を作成するのがおすすめです。
三角関数の値の確認はPDFファイルですが、計算問題を解くさいに必要な知識となるため、こちらも重要な資料です。
過去問は10回分やる
一陸技に合格して今考えていることとして、過去問は10回分は最低でもやる必要があるかなと考えております。過去問10回分を解いて解答のパターンや必要な公式を覚え、コンスタントに合格点をゲットできるようになれば本番の試験もきっと合格することが可能です。
ただ何回かお伝えしているとおり無線工学Aの問題は新問題や頻度の低い意外な問題が出題される確率が高く注意が必要な科目であるため、過去問をほぼ完璧にする必要があると思います。
iPadを活用すると効率的
筆者はiPadのGoodNotesを使って過去問を保存して解答しつつ、自分の苦手な部分をファイルにまとめて勉強していました。
iPadを使用することで重たい参考書を持ち歩く必要もなく、電車内でも公式を見返したりPDFファイルに直接書き込む事が可能なため効率的に勉強を進める事ができました。
dBと真数の関係
dBと真数(何倍になるか)の関係については、以下のとおりです。
dB | 倍 |
0dB | 1倍 |
3dB | 2倍 |
6dB | 4倍 |
7dB | 5倍 |
9dB | 8倍 |
10dB | 10倍 |
30dB | 100倍 |
計算問題の方が点は稼げる
一陸技の勉強を始めるにあたって計算問題がかなりネックになると思っていたのですが、試験を終えた今思うこととして計算問題の方が点は稼げますと感じています。
無線工学AやBにしても公式や問題の解き方はほぼ毎回同じで、過去問の数値を少し変更しただけの内容が出題されることがほとんどのため、過去問を何度も解いて公式や解答の方法をしっかりと覚えておけば合格が非常に楽になります。
まとめ:時間をかけてとにかく問題を解くこと
以上、知識ゼロから一陸技に合格する方法についてお伝えしました。
今回お伝えした内容を再度まとめていきます。
ポイント
- 一発合格ではなく科目合格を使って1年かけて合格するのがおすすめ
- 過去問を10回分、とことんやってコンスタントに合格点を出せるようにする
- 無線工学Aは新問題や出題頻度の低い問題が出題される確率が高いため、最後まで気を抜かず勉強する
- 吉川先生の過去問の解説が非常にわかりやすため、おすすめ
- iPadを活用して勉強すると効率的に勉強が可能