PC、スマホ周辺機器 オーディオ

【レビュー】ADAM AUDIO D3V|狭いデスクで音楽や動画視聴におすすめ

ADAMのモニタースピーカーD3Vを購入したのでレビューしていきます。

こんな方におすすめ

  • 自宅のPC環境をより良くしたい方
  • コンパクトで質の高いスピーカーを探されている方
  • 音質だけでなく見た目や使いえ勝手にもこだわりたい方

この記事の内容

  • ADAM AUDIO D3V
  • ADAM AUDIO D3Vのレビュー
  • ADAM AUDIO D3Vがおすすめの方

テレビ局で音声業務に携わっている、パイクーがお伝えします。

【レビュー】ADAM AUDIO D3V

iPhone13ProとD3V

今回ですがADAMから販売されているコンパクトスピーカー、D3Vを購入したのでレビューしていきます。

まずはD3Vの結論から。

結論

  • 音楽を楽しんだり動画の視聴にも十分な性能で満足
  • 小さいデスクにも設置できるコンパクトなサイズ感がいい
  • USB接続でも十分な音質で購入して良かったと思っている

ではどんなスピーカーになっているか、詳しくみていきます。

ADAM AUDIOってどういうメーカー?

ADAM AUDIOって聞いたことはあるけど、どういうメーカーなのかな?

ADAM AUDIOは1999年にベルリンで設立されたスピーカーのメーカーです。

ADAMは1999年にドイツのベルリンで生まれた、業務用向けモニタースピーカーを製造しているメーカーです。

その音質や音の解像度の高さにはすごく定評があり、日本国内の音楽制作スタジオや音声中継車のメインスピーカーに採用されています。

ADAM AUDIO D3Vの仕様

ADAM AUDIO D3Vの仕様をチェックしていきます。

製品名ADAM AUDIO D3V
サイズ高さ20.0cm x 幅11.5cm x 奥行15.0cm (スタンド使用時は高さ24.0cm)
重さ1.85kg + 1.73kg(梱包重量5.6kg)
周波数特性45 Hz – 23.2 kHz(-6dB)/ 48 Hz – 22.6 kHz(-3dB)
総合システム出力
(ステレオ)
240W Peak / 200W RMS
低域出力80W Peak / 70W RMS(1台)
高域出力40W Peak / 30W RMS(1台)
クロスオーバー周波数4kHz
入力端子USB-C or バランス型TRSフォン
音響補正スイッチPosition,Desk,Roomそれぞれを3段階変更可能
音量調節フロントノブより操作可能
出力端子3.5mmヘッドフォン端子あり
マイクスタンド用ネジあり
付属品専用スタンド×2、ACアダプター、4ピンスピーカーケーブル

iLound Micro Monitorとの比較

ADAM AUDIO D3VIK Multimedia iLoud Micro Monitorとの比較を行なっていきます。

製品名D3ViLoud Micro Monitor
サイズ200mm x 150mm x 115mm180 mm x 135 mm x 90 mm
重さ1857g+1717g=3,574g920g+800g=1,720g
周波数特性45 Hz – 23.2 kHz(-6dB)/ 48 Hz – 22.6 kHz(-3dB)45Hz~22kHz(-10dB)
総合システム出力(ステレオ)240W Peak / 200W RMS(ペア)  70W(ピーク)/ 50W(RMS)
クロスオーバー周波数4kHz3 kHz
入力端子USB-C or バランス型TRSフォンRCA入力、TRSミニステレオ入力、Bluetooth
音響補正スイッチPosition,Desk,Roomそれぞれを3段階変更可能ハイシェルフ @ 4 kHz 以上 : 0 dB / +2 dB
ローシェルフ @ 250 Hz 以下 : 0 dB / -3 dB
デスクトップ @ 1 kHz ~ 10 kHz : +3.5 dB、400 Hz 以下 : -1 dB
音量調節フロントノブより操作可能背面ノブより操作可能
出力端子3.5mmヘッドフォン端子ありなし
マイクスタンド用ネジありあり
電源スイッチなしあり
スタンド機能専用スタンドでの使用本体下部に付属
カラー展開ブラック、ホワイトブラック、ホワイト
販売時期2024年11月2017年8月
2025年2月での価格43,000円(Amazon)36,300円(Amazon)

D3VとiLoud Micro Monitorの比較で感じた点

ADAM AUDIO D3VとIK Multimedia iLoud Micro Monitorの比較で感じた点についてまとめていきます。

感じた点

  • PCと接続して簡単に再生したい場合はD3V
  • Bluetooth接続での再生をしたい場合はiLoud
  • 予算4万円を出せる方はD3V、中古製品でもいいよという方はiLoud
  • 自宅での使用のみであればD3V、持ち出して使用したい場合はiLoud

筆者自身も「D3VとiLoud Micro Monitorのどちらを購入するといいかな?」と悩んだ結果、①オーディオインターフェースなしでも音が再生できる点②ADAMのA5Xを使う機会があって結構良かった点③D3Vの方が新機種である点を考慮してD3Vを購入することに決めました。

ADAM AUDIO D3Vの開封チェック

ADAM AUDIO D3Vの開封を行なっていきます。

箱のパッケージは上記のようになっており、D3Vの文字が大きく印刷されております。

同梱物の確認

ADAM AUDIO D3Vの同梱物については、以下のとおりです。

同梱物のチェック

  • スピーカー
  • 専用スタンド
  • 電源アダプタ、ケーブル
  • 4ピンスピーカーケーブル
  • USB-Cケーブル、USB-A変換
  • 取扱説明書、3Mのクッションテープ

以下、同梱物について詳しくみていきます。

角度を変える専用スタンド

D3V専用スタンド
底面にウレタンが使用

D3Vには専用のスタンドが同梱されており、本体に設置することで本体の角度を15度傾けることでリスニング環境をより良くすることができます。

電源アダプタとケーブル

60Wの電源アダプタ
メガネケーブルで接続

D3Vの電源アダプタ60Wのものが付属しており、一般的なメガネケーブルの仕様のものが採用されていました。

4ピンのスピーカーケーブル

4ピンのスピーカーケーブル
コネクタにブランド名

左右のスピーカーを接続する4ピンスピーカーケーブルですが、長さは2.0mとなっておりました。

またコネクタ部分にはADAM AUDIOのブランド名が記載がされており、専用品という感じがして格好良くなっていました。

ケーブルの太さも程よいくらいで、取り回しがしやすいのも嬉しいポイントです。

USB-CケーブルとUSB-A変換

1.5mのUSBケーブル
USB-A変換が付属

D3VをPCと接続する際に使用するUSBケーブルですが、1.5mの長さのものが同梱されていました。

またUSB-CコネクタをUSB-Aに変換するコネクタも付属されており、PC側のUSB-CでもAでもどちらの端子にも接続ができる点がいいなと感じました。

取扱説明書、3Mのクッションテープ

D3Vの取扱説明書と各国の言語で記載された仕様書、また3Mのテープが6枚ほど同梱されています。

3Mのクッションテープ×6枚
D3Vの下部に貼って使用

3Mのテープですが、D3Vの下部に貼り付ける専用スペースが設けてありました。

このテープを使用することでインシュレーター(音響振動を減らすもの)を別途購入する必要がないのは嬉しいポイントかもしれません。

筆者は専用スタンドを使用するため、3Mのテープは使用しませんでした。

ADAM AUDIO D3Vの外観チェック

ADAM AUDIO D3Vの外観をチェックしていきます。

D3Vのサイズ

まずサイズについてですが、高さは20.0cm、横幅は11.5cm、奥行は15.0cmとなっており、PCデスクなどに設置するのに適したコンパクトなサイズ感のデスクトップスピーカーとなっています。

D -ARTツィーターと3.5インチウーファー

1.5インチD-ARTツイーター
3.5インチアルミ製ウーファー

D3Vには1.5インチのD-ARTツイーター3.5インチのアルミ製ウーファーが使用されており、価格の高いモデルと同様のパーツが使用されています。

ボリュームノブからマルチ操作が可能

フロントにボリュームノブ

フロントのボリュームノブにはいくつかの機能が割り当てられています。

ボリュームノブの機能

  • 1度押し込む:ミュート
  • 2度押し込む:接続端子の変更(USBケーブル⇄TRSフォン)
  • 3度押し込む:スピーカーのL,Rを入れ替える
  • 2秒間長押し:スタンバイモード

ボリュームノブを数回押し込むことで、スピーカーをミュート(消音)したり、USB入力からアナログ入力に変更するなど、ボリュームの調整以外にも様々な機能が割り当てられております。

クリックは無いタイプ

またボリュームノブを操作する際のクリック感は無く、スムーズな音量調整が可能となっています。

D3Vの重さを計測

1,857g
1,717g

D3Vの重さについてですが、ボリュームノブや端子類がある側の本体は1,857gとなっており、もう1方のスピーカーは1,717gとなっていて、2本で合計3,574gでした。

88g
267g

またD3V専用スタンドの重さは1つで88gとなっており、電源アダプタとケーブルについては267gとなっていました。

一般的なスピーカーの重さよりも、かなり軽い部類には入ると思います。

背面に接続端子

D3Vの背面について詳しくみていきます。

D3Vは片方のスピーカーにのみ電源ケーブルや再生機からのアナログケーブルを接続し、もう片方のスピーカーには4ピンケーブルのみを接続して使用する作りとなっています。

EQスイッチ、USBコネクタ、TRSコネクタ

背面の上部には3種類のディップスイッチが設置されており、切り替えを行うことで再生する音質の調整を行うことができます。

取説やホームページなどにハッキリと記載されてはおりませんが、POSITIONが低域(Low)、DESKが中域(Mid)、ROOMが高域(High)となっている様子

またPCとの接続を行うUSB-CコネクタとTRSフォン(バランス、アンバランスどちらも使用可)のアナログ端子が用意されています。

側面に3.5インチのパッシブラジエーター

本体の左側面
本体の右側面

D3Vのサイド部分には3.5インチのパッシブラジエーターが搭載されております。

指で軽く押し込むと凹む

このパッシブラジエーター部分は低音を増強する効果があり、指で軽く押し込むと内側に凹む仕様となっています。

D3Vの運搬はしやすい?

スピーカーの運搬時にパッシブラジエーターを壊してしまうといった問題はないだろうか?

プラスティック素材の少し硬めの作りとなっていたので、うっかり触ってしまっても壊してしまう可能性は低そうでした。

購入する前は「スピーカーの運搬時に触って壊してしまう可能性があるのでは?」といった懸念があったのですが、Focalのスピーカーのような柔らかい素材ではなく割と硬めのプラスティック素材となっていたため、ジュラケースに入れて運搬するといった場合にも問題はなさそうでした。

マイクスタンドでの設置が可能

マイクスタンドでの設置が可能

D3Vには3/8インチの標準ネジ穴が切り抜かれており、マイクスタンドを使って設置することができます。

自宅での使用はもちろん、外出先での使用時にも便利だね。

ADAM AUDIO D3Vのセッティング

筆者の作業デスク

D3Vのセッティングについて、お伝えしていきます。

筆者のデスクは横幅120cmのFlexispot昇降デスクを使用しており、PCと接続して音をD3Vから再生できるような環境を整えていこうと考えました。

専用スタンドを設置

筆者はD3Vを自宅デスクのメインスピーカーとして使用したかったため、専用のスタンドを使用して設置することにしました。

専用スタンドを使用することでスピーカーの角度が15度上を向くため、狭いデスク環境でも設置しやすいのは非常にいいポイントだなと思いました。

スピーカー、電源、USBケーブルを接続

4ピンケーブルを接続
電源を接続して、
USBケーブルを接続

まずは4ピンケーブルを使ってスピーカー同士の接続を行います。

スピーカー同士を接続したら電源ケーブルを接続し、その後にPCとスピーカー用のUSBケーブルを接続していきます。

スピーカーの設置と配線作業が完了

スピーカーの設置と配線の接続が完了しました。

メインスピーカーをR側に設置

一般的な使い方ではL側にボリュームノブの付いたスピーカーを設置するようですが、ボリュームノブを利き手の右側で操作したかったことと、接続するPCの端子が右側にあったため、接続端子のあるスピーカーをR側に設置することにしました。

Mac上でもD3Vを認識

Macで認識
音量操作が可能

D3Vのノブをクリックして電源を入れMac画面のサウンドをチェックしたところ、ADAM AUDIO D3Vが無事に表示され認識されていました。

サウンド設定をD3Vに変更しキーボードから音量の操作を行ったところ、Macのキーボード上からでもD3Vの音量を調整することが可能でした。

スピーカー配置(L/R)の変更

ノブを3回素早くクリック

D3VではLとRのスピーカーを簡単に変更することができます。

ボリュームノブを素早く3回クリックすることでLとRの音が入れ替えることができるのですが、電源を落とした後でもその設定は引き継がれるため、自宅デスクにあったスピーカー配置を行うことが可能です。

ADAM AUDIO D3Vを実際に鳴らしてみた

ADAM AUDIO D3Vを実際に鳴らしてみた感想について、お伝えします。

筆者の再生環境

Macとの接続
ドッキングステーション経由で再生

今回試した音源の再生環境については、以下のとおりです。

再生環境

  • PC:M1Pro MacBookPro 14インチ
  • ↓接続ケーブル:PYLVOE Thunderbolt 4対応 USB-Cケーブル
  • ↓ドッキングステーション:Caldigit TS3 Plus
  • ↓接続ケーブル:D3Vに同梱されているUSBケーブル
  • スピーカー:ADAM AUDIO D3V

筆者はオーディオインターフェースは所有していいないため、Macと接続したドッキングステーション経由で、USB接続のみでの再生テストを行いました。

YouTubeでエージングを開始

スピーカーを覆ってエージングを開始

D3Vを視聴する際ですが、YouTubeを使って4~5時間ほどエージングを行いました。

ある程度の音を出してエージングを行いたかったことと、夜間での作業になったためダンボールや服で覆って行いました。

MacBookPro本体のスピーカーとは全然違う

筆者は今まで音楽や動画を再生する際はMacBookPro本体のスピーカーで再生を行っていたのですが、全然音が違うなと感じました。

ポイント

  • 低音がはっきりとして解像度が上がった
  • スピーカーとの距離が近くなって聞きやすくなった
  • 楽器1つ1つの音がハッキリと聞けるようになった

MacBookProのスピーカーも十分音質が良く結構好きで聞いていたのですが、やはりスピーカーをちゃんと設置して音を聞くと全然違うなという印象でした。
1つ1つの音がしっかりと聞き取ることができるため、今何の楽器が鳴っているのかなどが分かりやすくなり、音楽をしっかりと聞くことが可能になりました。

またモニタースピーカーにしては音がドライな印象(冷たい感じ)が少なく、リスニング用途でも全然楽しめるなという感じでした。

USB接続の場合の音質はどうなんだろうと考えていましたが、僕の環境だと十分な音質を再生できていると思いました。

モニタースピーカーとして優秀

Davinci Resolveでの編集画面

Davinci Resolveを使って音のEQをいじってみたところ、こちらの意図した音をそのまま再生してくれているなと感じました。

普段筆者は仕事場でFostexのラージスピーカーやGenelecの8240Aなどを使用していますが、自宅環境での音の再現レベルであれば問題ない音を出せていると思います。

Genelec8010よりもD3Vの方が好み

D3VはGenelec8010Aよりも少し大きいサイズ感でありながら、デスク環境には十分な低音と音の再現性を出せていると思います。

個人的にはGenelecは中低域の再生感がハッキリとしない印象があまり好きでなく、音的にも操作性についても価格にしても8010よりもD3Vの方が全然いいと思いました。

イヤフォン端子の音は結構残念

D3Vのイヤフォン端子の音質は残念
Macのイヤフォン端子の方が優秀

D3Vに付属している3.5mmイヤフォン端子を使って検聴してみたところ、解像度も音量感も低く結構質の悪いものだなと感じてしまいました。

MacBookProとD3Vのイヤフォン端子にゼンハイザーIE100Proを接続して聴き比べたのですが、明らかにMacBook本体のイヤフォン端子の音の方が良かったですね。

イヤフォンで音を聞きたい方は、直接PCに接続するかオーディオインターフェースから聞く方法がおすすめ。

フロントにノブがあるのは便利

フロントノブでの操作は便利

D3Vを使用していてフロントにノブがあるのはやはり便利だなと感じました。

音量を本体で調整したい時やミュートをかけたい時、スピーカーをスリープ状態から起動する際など、ボリュームノブを操作する場面が多々あって、iLoud Micro Monitorのように操作系が背面にあるスピーカーだとこうはいかないよなと感じたりもしました。

まとめ:購入して満足しているスピーカー

以上、ADAM AUDIO D3Vを購入した感想についてレビューしてきました。

今回お伝えした内容をまとめていきます。

メリット

デメリット

  • コンパクトな筐体にも関わらず低域から高音までしっかりと出る
  • 狭いデスクでも設置がしやすく導入がしやすい
  • フロントのボリュームノブから操作できるのが便利
  • USBケーブル1本で音の再生が可能
  • 専用スタンドなどが同梱されていて別途購入する必要がない
  • イヤフォン端子の音質が悪い
  • 自動スリープモードを無効化できる機能がない(→今後のアップデートで対応予定)

ADAM AUDIO D3Vを購入した結論としては、買って良かったなと思えるスピーカーだと感じました。

自宅のデスク環境をより良いものにすることができ、音楽鑑賞や動画視聴・制作など幅広い用途に使える製品だと思いました。

以上、パイクーでした。

-PC、スマホ周辺機器, オーディオ