こんな方におすすめ
- 第1種衛生管理者について知りたい方
- 第1種衛生管理者試験に合格したい方
- 第1種衛生管理者試験の勉強方法について知りたい方
この記事の内容
- 第1種衛生管理者について
- 第1種衛生管理者の勉強方法
- 第1種衛生管理者に合格する方法
第1種衛生管理者とは
まずは大前提として「衛生管理者とはなにか?」についてお伝えします。
常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生管理者免許を有する者のうちから労働者数に応じ一定数以上の衛生管理者を選任し、安全衛生業務のうち、衛生に係わる技術的な事項を管理させることが必要です。
安全衛生技術試験協会より引用
常時50人以上の労働者が働く場所で必要な資格
衛生管理者の資格ですが常時50人以上の労働者が働いている場所では衛生管理者の選任が必要で、安全衛生を管理する必要があります。
第1種衛生管理者と第2種衛生管理者の比較
衛生管理者には大きく分けて第1種衛生管理者と第2種衛生管理者の2通りの資格が存在します。
第一種衛生管理者免許を有する者は、すべての業種の事業場において衛生管理者となることができます。
第二種衛生管理者免許を有する者は、有害業務と関連の少ない情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など一定の業種の事業場においてのみ、衛生管理者となることができます。
主な職務は、労働者の健康障害を防止するための作業環境管理、作業管理及び健康管理、労働衛生教育の実施、健康の保持増進措置などです。
安全衛生技術試験協会より引用
業種によって1種が必要な場合あり
第1種衛生管理者と第2種衛生管理者の違いとして、管理できる業種が異なっている点が挙げられます。
必要な管理者 | 業種区分 |
第1種衛生管理者 | 農林水産業、鉱業、建設業、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業、製造業(物の加工業を含む) |
第2種衛生管理者 | 上記以外の業種 (有害業務と関連の少ない情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など) |
第2種で十分でも第1種の受験がおすすめ
第1種 | 第2種 | |
出題範囲 | 5科目、合計44問 | 3科目、合計30問 |
合格率 | 約51% | 約57% |
試験手数料 | 8,800円 | 8,800円 |
まず試験の出題範囲ですが、第1種が5科目の44問となっているのに対し、第2種では3科目の30問となっております。また合格率についてては第1種で51%程度であるのに対し、第2種では57%程度となっております。
これらの情報から第1種よりも第2種の方が合格するのが容易であることがわかるかと思いますが、今後の転職や試験手数料が同じ点であること、また第1種も十分合格率の高い試験であることを考慮し、第1種衛生管理者試験を受験する方が良いのではないかと思います。
第1種衛生管理者を受験するための手続き
第1種衛生管理者を受験するための手続きについて、お伝えします。
受験申請書の受け取り
まずは第1種衛生管理者を受験するための受験申請書の取得方法について、お伝えします。
受験申請書の取得方法
- 試験会場に行って受験申請書を受け取る
- 試験会場に行くのが難しい場合は受験申請書を郵送で取り寄せる
第1種衛生管理者試験を受ける際に必要となる受験申請書ですが、北海道・宮城・東京・千葉・愛知・兵庫・広島・福岡にある衛生技術センターに直接行って申請書を受け取るか、もしくは郵送で申請書を取り寄せるかの2択となります。
※令和6年4月2日よりオンラインでの受験申請システムが利用できるように改善されました。ただ2024年5月現在では、第1種衛生管理者の試験はオンライン+郵送の手続きが必要となっております。
事業者証明書の提出が必須
第1種衛生管理者試験を受験する際ですが、会社に所属している方は事業者証明書が必要となります。
この事業者証明書というのは労働衛生の実務にある一定の期間従事しましたという証明書のことで、労働衛生の実務に最低でも 1年以上従事しないと試験を受けることができないため注意が必要です。
郵便局でお金の振り込み
受験申請書に同梱されている振り込み用紙を持って郵便局に行き、手数料となる8,800円プラス振り込み手数料203円、合計9,003円を支払う必要があります。
申請書を提出して受験票を受取
受験申請書、振込受付証明書、事業者証明書、顔写真の用意ができたら、書類一式を受験会場に直接提出、もしくは郵送での提出を行います。
第1種衛生管理者に合格して免許を取得するまで
第1種衛生管理者に合格して免許を取得するまでの道のりについて、お伝えします。
筆者のスペック紹介
まずは、筆者の第1種衛生管理者に対する知識スペックをご紹介します。
- 大卒で社会人15年目の30代後半の男性
- 職業は放送関係で、安全衛生や危険物に関する知識はほぼゼロ
iPadを使って勉強
筆者が行った勉強方法ですが、基本的にiPadを使って勉強を行いました。
Amazonで販売されている「改訂版 この1冊で合格! 村中一英の第1種衛生管理者 テキスト&問題集」を購入しGoodNotesに取り込んで、過去問を解いて分からなかったところを調べる、という使い方をしました。
過去問をひたすら解く
インターネット上にアップされている第1種衛生管理者の過去問を5年分ひたすら解いて、解答パターンを暗記していました。
1日2〜3時間程度の勉強時間を設け、1日1回分の過去問を解いては間違えた箇所を暗記するようなやり方で勉強を行いました。
試験に臨む
2024年4月8日に東京試験会場にて、第1種衛生管理者試験を受験しました。
試験開始が13:30からだったため12:45くらいに会場入りしたのですが、試験を受ける人とランチから戻ってきた方でかなりごった返しており、なかなか試験会場まで移動することができませんでした。
1度目の試験結果は不合格
4月8日に試験を受けてからおよそ1週間後、郵送されてきた通知書を確認したところ、4点(1問分の正解)足りず不合格となっていました。
不合格となった理由については、以下のとおりです。
- 過去問をアレンジした問題が多く、解答できなかった
- 過去問に出てきていない新問が2,3問あって、解答できなかった
1回目の試験には過去5年分の過去問を解きまくって準備していたのですが、実際の試験では同じ問題と解答が出ることが非常に少なく、解答の分からない問題が多かった印象です。
そのため過去問の問題や解答パターンを覚えるだけでなく、問題や解答の内容もしっかりと理解しておく必要があることがわかりました。
再試験の手続き
第1種衛生管理者の試験を再度受験する方法についてですが、初回と同様に受験申請書を取り寄せて振り込み手数料を支払って、顔写真を貼り付けて再度申請する必要があります。
ただ事業者証明書については、前回受験した際の受験票、もしくは不合格と記載された結果通知書を提出することで、事業者証明書を再提出する必要はありませんでした。
過去問を解くだけでなく問われている内容も理解
筆者は1度目の試験を受ける際、第1種衛生管理者の過去問を解きまくってパターンを暗記し試験に臨んだのですが、実際の試験で出てきた問題は過去問の文章を変更したパターンが多く、不合格となってしまいました。
第1種衛生管理者の試験は過去問のパターンを覚えるだけでは合格が難しいため、問題や解答の内容をしっかりと理解する必要があるためご注意ください。
過去問で間違えた箇所を抜粋
過去問を解いて間違えた箇所をスクリーンショットで切り抜き、GoodNotesのフォルダに溜め込んで後から見返すことができるように、間違った箇所をまとめました。
2回目の受験
1回目の受験を行ってから大体1ヶ月ほど経った2024年5月10日、2回目の衛生管理者試験を受けました。
前回の試験時から30時間くらいは勉強を積んでから試験に臨んだため、わからない問題も少なく安心して受験を終えることができました。
1週間後に公式サイトにて合否の確認
試験を受けた日から1週間後の朝9:30に、安全衛生管理の公式サイトにて合否の結果が掲載されます。
ハガキにて合格の通知
試験に合格すると、免許試験合格通知書が送られてきます。この合格通知書は免許取得の際に郵送する必要があるため、間違っても廃棄しないよう注意が必要です。
合格後、必要書類を揃えて郵送
第1種衛生管理者試験に合格したあとは、免許の取得のために必要書類を揃えて郵送を行います。
必要書類などについては、以下のとおりです。
合格後に必要な書類一式
- 免許申請書
- 免許試験合格通知書(原本)
- 専用の免許証送付用封筒
- 免許証送付用切手434円分
- 本人確認証明書
- 収入印紙1500円分
合格後に提出が必要となる書類については、試験を受けた会場にて封筒一式で受け取ることができます。
免許の受け取り
必要書類を提出してから大体1週間ほどして、無事に免許が郵送されてきました。
合格後に感じた第1種衛生管理者に必要な勉強法まとめ
第1種衛生管理者の試験に合格したいま感じている、合格に必要だった勉強法についてまとめていきます。
勉強時間は80時間くらい必要
筆者の場合ですが、1回目の試験を受けた際は大体50時間程度の勉強量で受験したところ、1問分点数が足りなくて不合格となってしまいました。
不合格の通知が来てからすぐに勉強を再開し、2回目の試験を受けた際には大体80時間程度の勉強量となっていて、2回目で無事に合格することができました。
期間は2〜3ヶ月ほどみておくと無難
勉強を開始してから受験するまでの期間ですが、仕事をしながら受験する社会人の方の場合、ざっくりと2〜3ヶ月ほど余裕を見てから受験するのが無難だと思います。
YouTubeを使った勉強が効率的
1回目の試験に落ちた後により深いレベルでの勉強が必要だと感じ、YouTubeに無料でアップされているのぐちゃん先生の動画をひたすら視聴しました。
のぐちゃん先生の動画の語呂合わせが面白くて覚えやすく、曖昧に解答していた問題の解答に完璧に解答できるようになりました。
過去問の解答だけでなく内容も理解する必要あり
第1種衛生管理者の試験は過去問を多く解くだけでなく、どこの内容が間違っていてどこの内容が正しいのかを理解することが大事です。
そのためには過去問の解答パターンを覚えるだけでなく、一問一問丁寧に覚えていく必要があると感じました。
第1種衛生管理者試験でかかった費用
今回、第1種衛生管理者試験で合格するまでにかかった費用については、以下のとおりです。
費用 | 用途 | |
勉強用 | ||
参考書代 | 1683円 | Kindleにて |
1回目の受験 | ||
証明写真代 | 500円 | 受験申請書への貼り付け |
交通費(往復) | 740円 | 受験申請書の受け取りで試験会場へ |
試験料+振り込み手数料 | 9,003円 | 郵便局にて支払い |
交通費(往復) | 740円 | 受験申請書の提出で試験会場へ |
交通費(往復) | 740円 | 受験のため試験会場へ |
2回目の受験 | ||
試験料+振り込み手数料 | 9,003円 | 郵便局にて支払い |
交通費(往復) | 740円 | 受験申請書の提出で試験会場へ |
交通費(往復) | 740円 | 受験のため東京試験会場へ |
合格後の手続き | ||
切手代 | 434円 | 返信用封筒への貼り付け |
収入印紙代 | 1,500円 | 申請書への貼り付け |
郵送代 | 470円 | 免許申請用紙の郵送 |
合計 | 26,293円 |
第1種衛生管理者の試験まとめ
以上、第1種衛生管理者の試験についてお伝えしてきました。
今回お伝えしてきた内容をまとめていきます。
ココがポイント
- 受験するまでの資料集めや提出が非常に手間
- 合格までに必要な勉強時間は80時間前後
- 合格までは2〜3ヶ月見ておくと無難
- 過去問の暗記では合格あ難しいため内容を理解し勉強する
- 語呂合わせで用語を暗記する方法がおすすめ
- 一発合格であれば15,000円くらいで合格できる